ウェディングムービーは花嫁が主役

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私のウェディングムービーでは絵作りをする時、常に花嫁中心に考えています。

披露宴会場では多くの列席者が新郎新婦の登場を今か今かと待っています。突然高らかに音楽が鳴り、大きな扉が開き、スモークの中から出てくる新郎新婦、スポットライトは新郎新婦を照らし、列席者が盛大な拍手を送る感動の瞬間です。

その時、私が気をつけることは花嫁が美しく写る角度です。大きな新郎のスーツで小さな花嫁の美しいウェディングドレスが隠れない撮影ポジションを探します。高い角度から撮影すると間違いなく新郎新婦の映像を抑えることはできますが、その分スタイルが悪く見えますし、遠くからだと何だか引いた感じに映り臨場感が減ります。

邪魔にならない程度に近くから、なるべく胸の高さまでカメラポジションを下げてドレスを多く見せ、なるべく顔を小さく写します。また、画面の下や横に拍手している列席者を少し映り込ませることにより祝福の空気感をも撮影します。

会場に一礼する新郎新婦、ゆっくり歩き出し各テーブルの間を縫うように歩いてメインテーブルへ向かいます。私は祝福してくれる列席者の笑顔も画面に入れながら、少しずつ摺り足でちらちら進行方向を確認しつつ移動し、カメラを水平にスローにパンさせ花嫁中心の構図をキープします。このシーンは新郎新婦がメインテーブルに着くまでカットなし見せたいので途中でグラグラしないように気をつけています。

新郎新婦にとって入場の一瞬一瞬は一生に一回だけの大事なシーンです。私もそれに応え、後で見てじわっと涙が出る映画のような映像にしなくてはなりません。この勝負(?)が私には堪らないのです。私は撮影しながらもこの映像の最初の観客です。私を感動させないウェディングムービーは私が悲しみます。結婚式の場に存在した感動が映っていないとプロとして失格だと思い何日も落ち込みます。

一般の結婚式場と契約している映像制作会社所属のカメラマンが結婚式の感動をどれだけ感じながら撮影しているか私にはわかりませんが、私ほどの思いで撮影している人は少ないと思います。なぜなら彼らはこの式の後、次の式場へ向かいまた結婚式の撮影をし、明日も明後日も結婚式の撮影をすることが仕事だからです。

上司に怒られないような撮影、後で編集者が困らない撮影、抑えるべきところは必ず抑えてある撮影を繰り返しているとテンプレートのような業務になってしまうのも仕方のないことかもしれません。ましてや友達の結婚式でもないのに感動なんてしないのが普通の感覚なのかもしれません。こう考えると私は自分の結婚式大好きな性格は特別なものであり、この仕事は私にとって天職だと思うのです。

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キム・スンヨン