ヌーベルヴァーグのように手持ちカメラで撮影する独自のスタイル

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ウェディングムービーを撮影する時、私はほとんど手持ちカメラを使います。それに対して結婚式場の契約映像業者は少し離れた場所から三脚を使って撮影するのがほとんどです。

私が手持ちカメラにこだわる理由は、移りゆく感動ポイントを常にベストな位置から臨場感を損なわないように撮影するために他なりません。その時に気をつけていることは、手ブレしないようにする事と、列席者の邪魔にならないようにする事です。

以前、テレビCMのメイキング動画の撮影を依頼されたときのことですが、主演の本上まなみさんがスタジオ入りする姿を、手持ちカメラで歩きながら撮影し好評を得ました。ブレないように撮影するコツは、脇を絞めてカメラを水平に構え、重心を落として歩幅を狭くしてすり足で歩き、常に進行方向に人や物がないかチラチラと確認しながら移動することです。予め歩くコースを確認しておくことも重要です。私を使ってくれた広告代理店のディレクターからは『人間ステディカム』の称号をいただきました。ステディカムとはハリウッド映画などで使用される大掛かりなカメラ安定支持機材で、歩きながらの撮影でもレールに乗せたかのようなスムーズな移動ができます。(ステディカムの写真)

カメラマンの立ち位置が列席者の邪魔にならないようにする事も重要です。列席者は主役である新郎新婦の姿を見たいです。列席者は自分の前にカメラマンに立たれても、より良い撮影のためには少しはガマンしてくれますが、それに甘えていつまでも同じ場所から撮影していては申し訳ないです。

以前、友達の結婚式で新郎新婦の真ん前に三脚を立てて撮影しているカメラマンを見たことがあります。良い映像は撮れると思うけど列席者にとってはじゃまな存在でした。ここぞという時は参列者に背中を向けてでも撮影しなくてはいけないですが、長く同じ場所から撮影するのではなく、少しづつ移動し、状況を見極めながら撮影することが肝心です。

業者の場合、クレームが来ない撮影をすることが最も求められます。そのため列席者の邪魔にならないように少し離れた場所に三脚を立てて、高い位置からのズーム撮影となります。新郎新婦の顔は抑えられますが周りにいる人の弾ける笑顔や拍手などはフレームの外になってしまい空気感や臨場感は激減し、あの日の感動が蘇らない記録的映像になってしまいます。

私が手ブレせずに撮影できるようになったのは鍛錬もありますが、20年前ビデオカメラを持ったその日からあんまりブレていませんでした。妹から送られてくる甥っこの動画もほとんどブレてないことから見てもわが家の特徴なのかもしれません。ブレない撮影ができるなら多くのカメラマンも手持ちカメラを選ぶでしょう。

こうして手持ちカメラでのウェディングムービー撮影は私独自のスタイルとして確立してゆきました。

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キム・スンヨン